Return of the Great Gildersleeves / Danger Danger (2000)

0282The Return Of The Great Gildersleeves

2000年にリリースされたDanger Danger(デンジャー・デンジャー)の5thアルバム。メンバーは3rdDawn 以来のブルーノ・ラヴェル(b、gt)、スティーヴ・ウエスト(ds)、ポール・レイン(vo)のトリオ編成。元メンバーのアンディ・ティモンズとトニー・ブルーノ・レイ、更に1stのプロデュースを担当したランス・クインも一部のパートを受け持っています。グランジ風サウンドからメロディアス路線に復帰した前作Four The Hard Way の延長線上の作風で、今回も文句なしの傑作アルバムに仕上がりました。本作の特長としては、楽曲のバリエーションが一層広がったことが挙げられます。初期のパーティ・ロック調のものから、Dawn に通じるダークでヘヴィなものまで、違和感なく一枚のアルバムにまとめ上げた力量は賞讃に値するでしょう。

#01"Grind"
露骨にエロい歌詞と重心の低いヘヴィなリズムが最高にカッコいいロックン・ロール。Danger Dangerらしさ100%の名曲です。超強力曲を冒頭に持ってくるのは前作と同じ手法。ギター・ソロはアンディ・ティモンズで、微妙なニュアンスをコントロールする相変わらずの巧みさにはため息が出るほど。

#02."When She's Good She's Good (When She's Bad She's Better)"
セカンドライン風のリズムのいかにもなアメリカン・ハードロックです。この曲のソロもアンディ・ティモンズ。ファンキーでトリッキーなフレーズがたまりません。

#03"Six Million Dollar Man"
Cheap Trickをグっとヘヴィにしたような曲。ネチっこいボーカルが耳に残ります。ギター・ソロはポール・レイン。

#04"She's Gone"
どこぞのAORバンドがやってもおかしくないような、スタイリッシュな哀愁バラード。うーん、いいメロディですね~。鼻の詰まったようなコンプを効かせたAOR風ギター・ソロはトニー・ブルーノ・レイ。この人も上手いです。

#05"Dead Drunk & Wasted"
1stや2ndに入っていてもおかしくないような、いかにもDanger Dangerらしい明るいハード・ポップです。こういう曲は好きだなぁ。ギター・ソロはトニー・ブルーノ・レイ。

#06"Dead Dog"
一転してDawn を思い出させるダークでヘヴィな曲。それもそのはずでDawn 制作当時のマテリアルとのこと。もはやなんちゃってグランジには聴こえず、しっかりこのバンドのレパートリーの一部になってます。ポール・レインの歌の上手さと、暗い情念が燃え盛るようなブルーノ・ラヴェルのギター・ソロが印象に残ります。

#07"I Do"
これぞ哀愁系メロディアス・ハードど真ん中の名曲!Danger Dangerの音楽性がいい方向に広がっているのが感じられます。トニー・ブルーノ・レイのソロもカッコいい。

#08"My Secret"
リリカルなメロディ、追憶をテーマにした歌詞、風が吹き抜けるようなアコースティカルなアンサンブルが好ましい小品。ここでもバンドの音楽性の幅の広がりを示しています。

#09"Cherry Cherry"
タイトルからして"Naughty Naughty"や"Bang Bang"を思わせるパーティ・ロック。おっさんになってもこういう曲をやるのがカッコいいんです。もう能天気な感じがしないのは、当たり前のような、ほろ苦いような。。。ボーカルはブルーノ・ラヴェルで、曲にあってます。ストーンズでキースが歌う曲みたいな感じかな。

#10"Get In The Ring"
ヘヴィなリフと淡々としたコーラスが不思議に興奮を誘う曲。明るさのかけらもないところはDawn 的ですが、しっかりDanger Dangerの音になってます。一聴して彼と分かるアンディ・ティモンズのソロも見事の一言。

#11"Walk It Like Ya Talk It"
アップ・テンポのオーソドックスなハード・ロック。Danger Dangerは意外にこういう曲は少ないのですが、かなりいい感じです。アンディ・ティモンズのソロはもちろん素晴らしいし、こういう曲調だとあらためてリズム隊が手堅いのも認識できます。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Grind
02. When She's Good She's Good (When She's Bad She's Better)
03. Six Million Dollar Man
04. She's Gone
05. Dead Drunk & Wasted
06. Dead Dog
07. I Do
08. My Secret
09. Cherry Cherry
10. Get In The Ring
11. Walk It Like Ya Talk It
All songs written by Danger Danger

■Personnel
Paul Laine – Lead Vocals, Backing Vocals, Guitars on #8, Keyboards on #3, #6, #8, Guitar Solo on #3
Bruno Ravel – Guitars, Bass, Keyboards on #4, #6, #7, #9, Guitar Solo on #6, #9, Lead Vocals on #9, Backing Vocals on #2
Steve West – Drums, Percussion

Andy Timmons - Lead Guitars on #1, #2, #10, #11, Backing Vocals on #2
Tony Bruno - Lead Guitars on #4, #5, #7, Keyboards on #6, Guitar Synth on #8, Wah Guitar on #10
Lance Quinn - Keyboards on #1, #2, #4
Scott Brown - Backing Vocals on #1
Damien Graham - Drums & Percussion on #8

Producer - Danger Danger





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テーマ : HR/HM
ジャンル : 音楽

Four The Hard Way / Danger Danger (1997)

0173Four The Hard Way

デンジャー・デンジャーのメンバー・チェンジ後2枚目、通算4枚目のアルバム。リリースは日本が一番早く1997年9月、欧州盤が10月、米国盤は翌98年3月となっています。メンバーは前作Dawn と同じく、ブルーノ・ラヴェル(b、gt)、スティーヴ・ウエスト(ds)、ポール・レイン(vo)の3人という変則的な編成。ただし、本作ではバンドを離れたアンディ・ティモンズ(gt)とケイシー・スミス(key)が一部の曲に参加しています。1stのギタリスト、トニー・ブルーノ・レイが共同プロデューサーとして名を連ねているのは前作と同じです。

前作ではグランジ・ブームに便乗したサウンドにがっかりさせられましたが、このアルバムではいわゆる「モダン」なヘヴィさは残るものの、とって付けたような暗さはほとんど消えました。グランジ/オルタナというのは、少なくとも初期のバンドにはそういう音楽表現を選ぶ内的必然性があるわけで、ただ流行っているから真似しました的なHR/HM系バンドは、こういう音楽を好んで聴くファンにもHR/HMファンにも相手にされないのは当然だと思うのです。デンジャー・デンジャーが素早く再度の転身を図ったのは正解だと思います。

本作で特筆すべきは、キャッチーでポップな楽曲が増えたこと、しかも初期のようなお気楽な感じには戻っていないことです。エッジの立ったサウンドにポップなメロディ、大人のハード・ポップ路線、いや~、むしろ1stや2ndよりいいじゃないですか。それから、ブルーノ・ラヴェルのギターもすごく良いのですが、やっぱりアンディ・ティモンズのテクニカルかつ歌心あるソロ(#1、2、5、8)は最高です。#1"Still Kickin"、 #2"Sick Little Twisted Mind"、#7"Goin' Goin' Gone"、#8"Afraid of Love"はお蔵入りとなった幻の3rdアルバムCockroach 収録曲の再録音ですが、"Still Kickin"のソリッドでハードなサウンド、"Goin' Goin' Gone"の哀愁メロディは特に素晴らしいです。米国盤のみのボーナス・トラック"Comin' Home '98"は2ndScrew It! 収録曲のポール・レイン・バージョン、これがまた大人っぽくて良いのです。何度聴いても飽きることはなく、聴くたびに味わいが増す、これはまごうことなき傑作アルバムでしょう。

評価 ★★★★★
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Still Kickin'
02. Sick Little Twisted Mind
03. Jaded *
04. Captain Bring Me Down *
05. Goin' All the Way
06. The Girl Ain't Built To Sleep Alone
07. Goin' Goin' Gone
08. Afraid Of Love
09. Heartbreak Suicide *
10. .I Don't Need You
11. .Comin' Home '98 [bonus]
All songs written by B.Ravel/S.West except * written by P.Laine

■Personnel
Paul Laine – lead & background vocals, acoustic guitar, wah wah guitar
Bruno Ravel – bass, lguitar, keyboards, lead & background vocals
Steve West – drums, percussion

Andy Timmons - guitar, background vocals
Kasey Smith - keyboards

Producer - Bruno Ravel, Steve West, Paul Laine
Co-Producer - Tony "Bruno" Rey





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テーマ : HR/HM
ジャンル : 音楽

Dawn / Danger Danger (1995)

0126Dawn

なんと今年(2014年)9月にオリジナル・メンバーで来日ツアーを行なうことがアナウンスされたデンジャー・デンジャー。アンディ・テイモンズも来るのか~。行きたいな~。

このDawnはリリースされたのは1995年で彼らの3枚目のアルバムとなります。実はCockroachというアルバムがこれより前に完成していたのですが、諸々の事情があってお蔵入りとなり、Dawnの方が先にリリースされたのです。だから制作順から言えば4枚目ということになります。2ndアルバムScrew It!(1991)発表以降、バンドを取り巻く環境もバンドの状況も大きく変わりました。92年にはキーボードのケイシー・スミスが解雇され、93年録音を終えたCockroachの発売が何故か延期。ゴタゴタの中で今度はボーカルのテッド・ポーリーが脱退(解雇)。バンドは知り合いだったカナダ人ボーカリスト、ポール・レインを新メンバーに迎えてCockroachを録り直すものの、テッド・ポーリーとの間で訴訟が持ち上がりアルバムは発表できず、嫌気がさしたギターのアンディ・ティモンズまでがバンドを離れソロ活動を始めてしまいます。心機一転を図るバンドは、1stでギターを弾いていた旧知のトニー・ブルーノ・レイを共同プロデューサーに迎えてアルバム制作を開始、1995年にようやく3rdアルバムDawnを発表することとなりました。

このアルバムを初めて手にしたとき、デンジャー・デンジャーの激変ぶりには驚かされました。音はダーク&へヴィとしか言い様がない、歌詞もジャケットもシリアス、ついこの前まで能天気なパーティ・ロックで大騒ぎしていたバンドとは信じられません。ボーカルも交代しているので、予備知識無しで聴いたら全然違うバンドだと思うでしょう。曲作りも含めこのバンドの中核はリズム隊のブルーノ・ラヴェルとスティーヴ・ウエストの二人なので、よく聴けばそこかしこにデンジャー・デンジャーらしいメロディが見え隠れしているのですが、それにしても過去の作品とはあまりにもイメージが違いすぎます。じゃあ、あなたはこのアルバムはつまらないと思うかと聞かれれば、決してそんなことはありません。全ての虚飾を取り去ったような生々しい音(特にドラムとベース)は魅力的ですし、ポール・レインのボーカルも迫力あるし、ブルーノ・ラヴェルのギターも代役とは思えないほど達者だし。ただ、あなたはデンジャー・デンジャーにこの音を求めるかと聞かれれば、答えは否です。

評価 ★★★☆☆
 ★★★★★ 傑作
 ★★★★☆ 秀作
 ★★★☆☆ 佳作
 ★★☆☆☆ 凡作
 ★☆☆☆☆ 駄作
評価の基準(筆者の好み)については評価の基準についてをご覧ください。

■Tracks
01. Helicopter
02. Crawl
03. Punching Bag
04. Mother Mercy
05. Sorry
06. Drivin' Sideways
08. Goodbye
09. Wide Awake And Dead
10. Nobody Cares
11. Heaven's Fallin'
12. Hard
All songs written by Bruno Ravel, Steve West, Paul Laine

■Personnel
Paul Laine – lead vocals, guitar, B-3, percussion
Bruno Ravel – lead & rhythm guitars, bass, vocals, keys
Steve West – drums, percussion

Producer - Bruno Ravel, Steve West, Paul Laine
Co-Producer - Tony "Bruno" Rey



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